文フリにて明日発売!『崩れる本棚 No.2』 P-side
こんばんは、崩れる本棚所属の、Pさんです。
え、普通すぎるって? 虚言妄言ばっかり作るのにちと疲れたので、最後に素ー(すー)で今回の雑誌について、紹介していきたいと思います。
ちなみに、↓の記事で「崩れる本棚です」って、あたかも名前みたいに言っているのは、主催のウサギさん(あるいはウサギノヴィッチさん)です。
さあ、どんどんぶっちゃけていきまっせ!
まず、そもそも(そ↓も↑そ↑も↑、と発言する)、文学フリマとはこりゃ一体なんぞやという所から。
某ティアとか、某コミケとかというのは、いろんな物を売るといっても、マンガとか、イラスト集とか、それでなくてもビジュアル寄りの何かを頒布する即売会になっておりますが、この「文学フリマ」は、より文字媒体を意識した即売会なのです。
文字「媒体」を「意識」したって、どんだけ遠回しな言い方なんだよ、まるで追及を免れようとしている悪徳企業みたいじゃないかとお思いの方もいるかと思いますが、「詩や小説をメインにした」とあながち言い切れない所もありまして、そもそも本の装幀の腕試し、という主旨で冊子や、「評論」という名目で、ただひたすらに街の中にあるうさんくさいものを週刊誌的な文体で紹介し続けるだけという冊子を頒布しているサークルまであります、やろうと思えば何でもアリですね。
とはいえメインは「小説」と「詩」もしくは「評論」といったところで、「文学」といってもいわゆる「純文学」にとどまるわけではなく、むしろラノベ的なものが量的には多かったりします。
で、ウチラは、まあ、ラノベっぽいって言えるような作品は、たぶんないですね。
とはいえ、純粋にブンガクに寄ってってるのかといえば、そうでもなく、タブンにエンタテイーンメント性も顧慮しておる作品もありつつの、中間といった感じで、その辺は、ウサギノヴィッチ主催の趣味が反映されてる感が無きにしもあらずです。
そんな文学フリマ。ついに明日、開催です。
場所は、東京湾の香り漂う埋立地「平和島」内にある「東京流通センター」。浜松町からモノレールで「東京流通センター駅」にひとっとび!
ぜひ当日、お誘い合わせの上、お越し頂けたらと思います。
つぎに内容紹介。
スィノプシース(あんなさんの場合は詩の冒頭だけど)は↓の記事にある通りですが、僕なりの主観的な感想を、ひと足先の読者としてそえさせてもらえればと思います。
あんな『何、故に』
このあんなさんという人は、日本語という言語のクライシスを自我に関わるものとして引き受けているというケウな書き手で、スルスルラと割と日常的な言葉を使って読めるようでいて、フッと何かが食い違うという感覚に満ちたこれは詩に出来上がっていると思います。
このステキに冷たくもぬるましい言葉の連なりは、巻頭にふさわしいと思います。
福田ミチロウ『GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業スペシャル~』
そのステキ気分を見事にメスで捻じ切ってくれるのがこの作品。性と生きることのドギツさをグイグイこちらに押し込んでくる、近親……的なキケンな香りに包まれています。
僕自身はモー娘。といえば、も一度好きって聞かせてほしい世代なので、この作品がどういう風に、道重さゆみさんへのリスペクトになっているのかは、わからないのですが、なんかむっちゃハマってるな、っていうのはわかります。
作品からわかることでは、ないけれども。一作を一人物に献じるというのは、それだけでソートーなもんではないでしょうか。
Pさん『眠れない話』
まあ、自分の作品ほど、語りにくいものも、ないわけですけれども、とりあえず「Pさん」というのは「さん」までが名前だということだけは、ことわっておきます。
そして、これは、一応誰が何と言おうと、自分では小説だと思い込んでいる、ということも。
あとの肝心の内容については、ウサギノヴィッチ社長の言を藉りたいと思います。
曰く、っていうかきのうプチ飲み会があってその席で、こちらを指さして笑顔のまま
「こいつのは難解! わけがわからないよ!」
と言われました。
あんなさんは、校正をして、
「すごい大変でした……何が書いてあるかわからない」
だそうです。
ウサギノヴィッチ『ワンチャン』
さて、オートリにきましたるはわれらが主催のこの作品。今回収録された4作の中でも最長の、100枚超えを果たしております。そして、その長さを見事に束ねる結構の強さを持っていると思います。
出てくるキャラも一番多く、4、5人がそれぞれに個性や役割を持っていて、それがストーリーにオトナな起伏を持たせているわけですね。
ウサギノヴィッチ主催は小説では毎回「演劇をやっている人、あるいは志している人」を主題にしており、今回もその例にもれず、かつてあった大学の演劇サークルが事の発端で、それが十数年の時を経て再結成する、みたいな話です。
十何年だったのか、あるいは何十年だったのか、その辺は忘れました。
題名については作者はこだわりはそんなにないらしく、初校の段階では別の題になっていました。
二校のあたりでのスカイプでのやり取り。
ウサギ「この題名と、もう一個迷ったやつがあって、どっちがいいかなって」
P「なんです」
ウサギ「『ワンチャン』っていうんだけど」
P「あー、それだと、そっちの方が、なんかワンチャン感があっていい感じがしますよ、何となく」
ウサギ「でも前の……」
P「いや、でも何となく『ワンチャン』の方が絶対良い感じがしなくもないですよ。めちゃくそ良い感じがしなくもない気がしますよ」
ウサギ「そうかなぁ」
かくしてこの題が決まりました。